こんにちは!ひろ@です。
日本では、就職活動の季節がそろそろやってきますね。
昨今では、企業の「働き方改革」というものが、日本の社会人達を強制的に変えていっていますが、その反面、私には本質的に殆ど変化をしているように見えないのが、日本の「新卒就職活動」です。
実際周りにも、大変優秀ではあるけれども、入社した会社とのミスマッチで能力を活かしきれていないという人がたくさんいるように見受けられます。
本日は、そんな日本の就職活動をどう差別化してくぐり抜けるのかについて、私が大学生の時に実践していた方法などをご紹介いたします。
セオリーに囚われすぎるな
就職活動時はとにかく情報が多いです。
先ず、色々な就職活動サイトに登録→プレエントリー→マイページ登録→本採用プロセスへ。というような流れになるかと思いますが、合同説明会へ行って、OB訪問して、ES提出、etc。
勿論最低限のプロセスに則る必要(〆切を守るなど)はありますが、これに囚われすぎる必要はないということです。
現在世の中でセオリーとされているものは、数あるアプローチのうち成功した事例を逆算的に体系化して標準化したものです。
無論そこに至るプロセスには唯一つの正解などなく、世の中に散在している本などは、成功者の事例を纏めたものであり、参考にしても良いとは思いますが、それがそのまま貴方に適用できるわけではありません。貴方とその人は条件が同じではないので。
ところで、このムービーをご存知でしょうか?
東京芸術大学の方が作成されたようですが、多少デフォルメがかかっているものの、日本の集団同調的就職活動へのアンチテーゼではないかと思います。
自分も意識を持たなければ、世間からこう見られているということです。
ひろ
筆者の好きな言葉の1つに、守破離(しゅはり)という言葉があります。先ずは、標準とされる型を守り、そこに自分のエッセンスを加えることで殻を破り、更に自由に創造するために型を離れる。
残念ながら、就活生のESを見ていると、型を守りすぎていて「破」が感じられないものが多くあります。
同調圧力の1つなのかもしれませんが、本当の自分を過度に押さえつける必要はありません。恋愛と同じです。ちょっと気になっていた企業だけど、本音で話したら合わなかったなー。ま、いっか。次!くらいの気持ちでやったほうが精神的にも健全です。
具体的に例を挙げると、先ず私は所謂「会社説明会」にはあまり行かなくても良いと感じています。本当に気になるところだけで十分です。
私はいくつかは行きましたが、そこでは企業の話を聞くというより、隣に座った就活生とひたすら情報交換をすることに努めました。こういった横のネットワークは非常に重要で、継続的に生きた情報のシェアが可能になります。
会社説明会は、各会社の人事が応対することになりますが、人事は採用のプロだけあり、「会社の顔」ですので、基本どの会社の方も人当たりが良い人を厳選しています。
話す内容に関しては、正直ウェブサイトに書いてあることが殆どです。オリジナルコンテンツ盛り沢山のNETFLIXのようなエンターテイメントに富んだ会社説明会を催す会社があったら申し訳ないですが、基本どの会社もそんな余裕はないかと。
行って意味があると感じたのは、様々な業種の人が出てくる社員懇談会のようなものです。上述したように人事の人柄では殆ど差別化できないので、実際に現場に近いラインで働いている方達の雰囲気は、入社した時のイメージに直結します。
これは私が社会人生活で学んだことですが、基本的にどんな仕事をしようとも、成長力のある環境で、変革心を持った意欲がある方々と働くことができれば、それで仕事は楽しいし充実します。月並みですが、企業選びは、やはり「人」です。
就職活動の他にも、社会人の方とフランクに話せることに慣れておくことも意義があると思います。参考までに、筆者はこういったイベントには良く行っていました。
参考 Hills breakfastHills breakfastまたESなども、就職本などで書き方が指南されているかもしれませんが、本を読み込むくらいなら、60%くらいの出来のものを実際に働いている社会人の知り合いなどに見せてフィードバックを貰ったほうが良いです。
日頃からビジネス文書を読んでいるはずですので、実践的なアドバイスを貰えるでしょう。
ひろ
Ex) ロジカルかつ端的に主張する、時間に遅れない…etc
型を守らず、我流に振る舞う人は、ただの「形なし(かたなし)」です。
私が就活していた時は、facebookが流行っていたので、facebookで気になる会社を打ち込んで、出てきた企業に勤めている方に片っ端からメールを送りました。10-15人に1、2人くらいは返信があったので、OBのコネクションに頼らなくてもできる方法はあります。
また、所謂一般的な就活イベントではなく、企業ショールームにも個別にコンタクトして、1人だけで案内してもらったこともあります。セオリー通りに行動するよりも、何倍も価値がある情報を手に入れられることもあります。
名より体を取れ!
端的に言えば、勢いのある会社に行ったほうが良いです。
一般的に知名度が高い会社=良い会社・働きやすい会社、という方程式は、あまり成立しません。
経営理論として「ポートフォリオマネジメント(PPM)」というフレームワークがありますが、コアコンピタンスである主力事業(金のなる木)が稼いだキャッシュを、新規事業(問題児)に投資するサイクルが回っているか?
ウチの会社と言えば、コレ!今これが絶好調で、何も問題なし!という会社は遅かれ早かれ衰退すると思います。パラダイムシフトが起きた時、無慈悲なほど社会は新しい技術への標準化が進むので、常に新しい時代の芽を模索する企業でなくてはなりません。
出所:カイロスマーケティング
日本の会社の例で言うと、個人的な意見で言えば、これを体現しているのが「富士フィルム」や「味の素」ではないかと思います。
富士フィルムは、そもそも社名にあるフィルム事業は既に終了しています。
最近は、新聞を開けば、M&Aのニュースで賑わせていますが、現在はヘルスケアなど新しいビジネスへ積極的に投資しており、次世代の富士フィルムを築こうとしているのが伺えます。
味の素も同様で、皆さんご存知の食卓に一本!味の素をドル箱に、ライフサイエンスや新しい分野の研究開発に投資しています。
こういった戦略的意思決定が働く会社は、環境面が良い意味でドラスティックに変わっていくでしょう。その分社内のキャリアパスの可能性もあるので、自身が成長できるフィールドのレンジが広いということになります。
ひろ
隠れ優良企業のススメ
色々述べてまいりましたが、情報の海の中、何の指針もなく情報収集をするのは就職活動中の皆さんにとっては辛いと思っています。
そこで、私がオススメするのは「隠れ優良企業」です。日本に株式会社が何社あるか知っていますか?
筆者が参考にしたのは、経産省が纏めた「平成28年経済センサス‐活動調査(確報)」。
経営組織別に企業等数をみると、「法人」(会社以外の法人を含む。以下同じ。) が187万7438企業(全企業等の48.7%)、「個人経営」が197万9019企業(同51.3%) となっている(表Ⅱ-1)。
上記資料より引用
上記から、日本には、約400万社弱の会社があり、そして大企業はそのうちの99.7%。つまり殆どの就活生が現存する企業の上澄みの上澄みしか見ていません。何が言いたいかと言うと、これはチャンスということです。
それは何故か?前述したように、殆どの就活生が「広い視野」で就職活動をしていないということは、逆に情報さえ持っていれば、貴方は貴方が輝ける企業へ過度な競争で消耗することなく、トライできると言うことです。
一般的には知られていないが、実は「世界シェアNo1」などの素晴らしい技術を持っていたり、ニッチな分野で世界に革新を起こしている企業は多くあります。B2B企業に多いのですが、私は、これを「隠れ優良企業」と言っています。
隠れ優良企業の良いところは、以下2点ではないかと思います。
- チャンスが多い
- 待遇も良い(ところが多い)
チャンスという側面では、何より一般的に知られていないというところが大きいです。私も入社後すぐに海外出張のチャンスに恵まれましたし、10カ国を超える国での商習慣の違いやビジネスの難しさなどを痛感し、入社数年で非常に多くのことを学んできました。
同年代の超有名企業に入社した方よりも、圧倒的に経験値を積ませてもらっていると感じます。マーケティングで言うところのポジショニングは大事です。自分が輝ける場所に自分を置くことを先ずは考えましょう。
こういった会社は、併せて待遇も良いところが多いです。何故ならシェアが高いということは、業界構造にもよりますが収益率も高いので、給与や福利厚生も充実しているところが多いです。
データ就活
具体的に何をすべきかと言うと、今直ぐ就職四季報を購入しましょう。生協に売っていると思いますし、Amazonでも直ぐに手に入ると思います。ここから、私が提唱する「データ就活」が始まります。
損益計算書の見方は知っておいて損はありませんので、参考になるサイトを貼っておきますので、ご参照ください。
参考 損益計算書とはfreee大学で会計などを専攻している人は、企業のIR情報などを読めると思いますが、そうでない方には「就職四季報」はうってつけのバイブルです。
分かりやすく言えば、そこには会社の「健康診断書」が詰まっています。細かい指標を見ていくとキリがないので、最低限重要だと思う指標を以下3つに纏めました。
- 年収
- 営業利益率
- 自己資本比率
それでは1つずつ解説します。
年収
これは、文字通り、皆さんが一番興味のある指標ですよね。ずばりどんだけ給料もらえるの?ってことです。
大体どの会社も40歳前後の平均年収が記載されているかと思いますので、自分の人生設計の参考値にはなると思います。
私も自分の中での最低ラインはありましたので、気になった企業はどんどんExcelやGoogleスプレッドシートなどに書き出していってみてください。
営業利益率
これは、本業で稼ぐ力があるか?を示します。
経常利益率などになってしまうと、単年度の特別損失の計上など、本来のビジネスとは離れたところの不運が反映されてしまう可能性がありますので、あくまで「営業利益率」で見るようにしたほうが良いと思います。これは高ければ高いほど良いです。
ただ経常利益が異常に悪ければ、それはそれで財務に問題がありますので注意。これも業態によって異なりますが、メーカーの場合は、5%あれば優良。10%を超えてくると、かなり稼ぐ力があるなという印象です。
自己資本比率
これは、総資本のうち、自己資本が占める割合です。
つまり企業が調達してきた総資本のうち、有利子負債を除き、返済不要の自己資本の割合がどの程度あるか?ということです。これは即ち企業の財務健全性を示します。
これは、メーカーなど生産設備(固定資産)を多く持つかどうかで変わってきますが、私は企業選定の閾値を40%に設定していました。50%を超えてくると、かなり優良。70%以上あるところは、殆ど無借金経営を実現している超優良というイメージです。
私は就職四季報を熟読し、周囲からは隠れ優良企業マニアと言われていました。聞いたこともないけど、こんなに良い製品を作っていて、世界展開している企業があるんだ!しかも皆が知っている超有名企業より、給料も良い…!みたいな。
私は当時熟読し過ぎて、メーカーであれば、殆どどの会社でも大体の年収を答えられるレベルでした(笑)
一社目にこだわり過ぎる必要はない
ここまで言ってきておいてなんですが、極論してしまうと、就活生という立場で得られる情報は大変限られており、正直入ってみるまで社内の文化を100%知ることはできません。
ただ、既に皆さんには当たり前の価値観かもしれませんが、既に終身雇用というものは崩壊しており、会社は自分の人生の面倒を見てくれる存在ではありません。
いつ入社した会社が傾くかは分かりませんし、入社した一社で人生を完遂すること(しようと思うこと)が、これからはリスクヘッジとしては不健全です。
結果論として、新卒の会社内に素晴らしいキャリアパスがあり、待遇や教育システム、ステップアップの経路が個人にマッチしていれば、わざわざ転職する必要はないかもしれません。ですが、そういった会社の方が稀ということです。
私は、自分の中で「積極的選択」と「消極的選択」という言葉を用いますが、前者は(いつでも他に行ける力があるが)自分の意志で、その場を選択する人。後者は、その場所に最適化され、その場所にしかいられない人です。
社会で活躍している人は圧倒的に前者です。「積極的選択」ができるように、社会人になっても努力を惜しまない人は、必ず転職で素晴らしいチャンスを手に入れることもできます。
周囲の情報に流されず、自分は何をしたいのか?逆に何をしたくないのか?を複合的に考えてみてください。周囲に聞こえの良い知名度優先で行きたい会社ランキングのようなものを組んで、(妄信的に)私はこの会社に行きたい!は意味をなしません。重要なのは、そこで何ができるか?です。
ひろ
就職活動は、自分の人生を一度要約し、今後の自分の羅針盤をセットする非常に貴重な時期です。主観だけではない、客観的な指標で相手を見るという視点は、入社してからも非常に役に立ちますので、是非データ就活お試しください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!