こんにちは!ひろ@マレーシア駐夫です。
2019年になりました。皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、2018年は私にとって激動の一年でした。初稿で書いたように、2018年初頭にマレーシア行きが決定し、仕事の引き継ぎ処理や事前準備で多忙を極めた一年でした。
本稿は、マレーシア行き決定後のマレーシアへ渡航するまでの事前準備について書きたいと思います。
※あくまで私の事例・マレーシア渡航の場合ですので、すべての海外行きのケースに通ずる話ではないことをご了承頂き、ご参考までにお願いします。
私がマレーシア行きを決心した理由については、こちらをどうぞ。
マレーシア渡航への道(結婚編)
前提条件
マレーシア行きを決めた時点では、私達はまだ婚約中でした。この時2018年2月の中旬~下旬という時だったかと記憶しております。
我々は気づいてしまいました。
順を追って説明しましょう。
私は滞在期間の制約もあり、就労ビザの取得は考えていなかったことや、結婚準備の兼ね合いもあり、留学ビザという方向性を勘案する時間も取れませんでした。
会社に「配偶者同行休職制度」という制度はあったものの、当社においては、私が男性社員の取得第一号でした。
理論上私が使えないということは有り得ないのですが、前例がないということで人事的な書類処理に時間がかかってしまったので、この時点で会社と細かい交渉を重ねていくことは、時間的にもキャパシティ的にも難しいものとなりました。
したがって、私の選択としては、実質的に配偶者帯同ビザ(Dependant Pass=以下DP)しかありませんでした。
マレーシアでは、DPでは就労できません。現地で働くとすれば、私もEPを取得する必要があります。
日本人が就労する場合、月額最低給与5,000リンギットが必要となります。現在のレートで大体13万円程度です。
詳細は、JETROのウェブサイトからご覧ください。
参考 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用JETRO
お隣のシンガポールでは、駐在者が就労ビザ(Employment Pass=以下EP)の場合で、配偶者がDP保有であれば、Letter of concentという制度で就労することができるそう。筆者の友人のシンガポール駐在夫婦も、この方法で海外でも共働きしていました。
※企業によっては、扶養者(帯同者)分込みで駐在員に給与を出しているという論理で、社内規定で配偶者の就労NGの場合もあるらしいので、そこは確認要。
空前絶後の連続的意思決定
妻の会社からの打診は、6月中での赴任ということだったため、逆算すると向こう1ヶ月程度で社内処理を行う必要があるとのこと。
それでは、当時の驚愕なタイムラインをご覧ください。
※この時、妻関東、私関西で別居です。
何故こんなことになったのか?
私達のケースでは、妻が名字を変更することになりました。申請途中でドキュメントの名前が変わるのは勿論NGのため、ビザ書類申請時までには入籍が必須ということに。
3月の終わりまでには、妻は一通りの書類を完成させなければならず、一ヶ月という期間での人生の一大イベントの処理を完遂することを強いられました。
幸い、妻のご両親は事情を理解してくださり、嫌な顔一つせずに快諾してくれました。
こんな無茶苦茶なスケジュールで、ご挨拶の時は内心ビクビクしていましたが、ちゃぶ台返しからの「お前に娘はやれん!」的なことにはならず、これは救いでした(笑)
言わずもがな、結婚式を挙げる余裕などなく、ウェディングフォトだけ撮りました。帰国時に需要があれば、凱旋ご報告パーティーでもやろうかなと(笑)
こうして3月下旬の某日、私達は晴れて夫婦となり、マレーシア渡航へのスタートラインに立ちました。
マレーシア渡航への道(書類準備編)
幸せも束の間、ここからが本番です。
以下の書類をマレーシア大使館に持参する必要があります。東京にしか窓口はないので、地方の人は結構大変です。
注意事項は、訪問の時間帯です。
書類提出:平日午前(09:00-12:00)、書類受取:平日午後(15:00-16:00)
※休館日は、マレーシア大使館のウェブサイトで確認してください。
準備事項(妻側)
上記の流れから、妻の身に何が起きたかは想像に難くないでしょう。
先ず、数多くの変更手続き(銀行口座、保険、印鑑、免許、パスポート、資格、各種IDなど)を強いられました。
これは本当に気の毒としか言いようがなく、当時は妻に申し訳がなかったです。ただでさえ忙しいのに、この処理のために何度も休みを取らざるを得ませんでした。また機会があれば別稿で書きたいと思いますが、「選択的夫婦別姓」が確立されていれば、こんなことにはならなかったはず…。こればかりは現行制度に遺憾の意を表します。
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
そして、各種上記の変更処理をした後に、以下のEP申請があります。
※申請書類などは、その時々で変わる可能性がありますので、ご参考まで。
- ビザ申請書 2部
- 雇用契約書
- パスポート写真2枚
- パスポート原本
- パスポートコピー(全ページ)
- 最終学歴の英文卒業証明書
各書類の細部までの説明は省きますが、妻が一番大変だったと言っていたのは、
「新姓によるパスポート情報と英文卒業証明書記載人物の整合性証明」
でした。
どういうことかと言うと、必要書類として大学から卒業証明書を取り寄せるわけですが、当然ながら学生時代の名前なので旧姓となります。
この時に妻が行った手続きはこちら。
この話を聞いた時、
と心の中で、咆哮しました。
この処理とは別に公証コストが1万円と少々、英訳を他にお願いしていれば、もっとかかります。
うーん。この圧倒的不条理。繰り返しますが、これは夫婦別姓での婚姻が可能であれば避けられた処理ですよね。
余談ですが、サイボウズの青野社長が、現在「選択的夫婦別姓」を巡って国を提訴していますが、個人的にこの流れに大変注目しています。
参考 妻の名字選んだ社長、選択的夫婦別姓裁判を闘争中日経DUAL準備事項(夫側)
次は私の処理の話となります。
パスポート
お持ちでないならパスポートを作る必要があります。私も妻の雇用期限前に有効期限が切れてしまうものだったので、新しく10年パスポートを作りました。費用は16,000円ほど。
ビザ申請書
これは所定のフォームに、必要事項を書き込んでいく必要があります。Application formは以下です。大事な書類なので、複数部コピーしてバックアップしてください。
参考 Application formOfficial portal of IMMIGRATION DEPARTMENT OF MALAYSIA
以下私のApplication form時の記載事項を纏めておきます。
A. PARTICULARS OF APPLICANT
記載:Full name, Place/Country of Birth, Date of Birth, Nationality, Address, Marital Status
未記載:Occupation(休職中なので)
B. PARTICULARS OF PASSPORT/TRAVEL DOCUMENT
すべて記入。9のType of Travel Documentは、ORDINARYで。
C. PARTICULARS OF SPONSOR IN MALAYSIA
ここは配偶者のマレーシアでの勤務先情報を書いてください。Full Name, Telephone No, Addressです。
D. DETAIL OF APPLICATION
Duration Of Proposed stayの箇所は、自分の出発月から配偶者の雇用ビザ期限での〜Monthで。
Purposed of Journeyは、DPの場合、Other Specifyの部分にDependantと書きました。
最後にDate(記入日)と、Signature of Applicantに自分のサインを書いてください(パスポートと同じ書体が良いかと)。
証明写真
お近くの写真屋さんでお撮りください。ビザの顔写真になるものです。サイズは、3.5 x 5.0cmです。
ちなみに何故か私はこの写真が採用されず、パスポートのICチップ内に格納されているであろう顔写真データが採用されました…。
証明写真は引っ越し最中の一番忙しい時に撮ったもので、指名手配犯のような人相になってしまったので、結果的に私としては有り難かったのですが、なぜだろう?撮った意味(笑)
許可証
これは妻から貰ったドキュメントそのままです。就労者◯◯の配偶者◯◯としてのDependant PassのApplication云々と書かれていると思います。
マレーシア入国時にも見せるので、3部くらいコピーと取っておいたほうが良いかも。ちなみに、この許可が降りた日から、6ヶ月以内に渡航する必要があります。スケジューリングにご注意ください。
E-チケット(航空券)
これは妻が罠にはまりましたが、大使館へ行く前に航空券を予約し、持参する必要があります。渡航日がわかっていなければ、大使館も承認できないためです。出直しを防ぐために忘れずにEチケットを持参しましょう!
さて、妻も私も地獄の渡航前準備ロードが終わりました。
次回以降は、マレーシアでの生活について書いていきたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!