こんにちは!ひろ@元駐夫です。
長いようで短かったマレーシアでの駐夫生活も終わり、既に日本へ帰国し、来月からは新しい職場で働くことにもなっております。
本稿は、この2年弱の駐夫期間を振り返り、良かったことや不安であったことを改めてしたためたいと思います。
目次
駐夫になって良かったこと
駐夫になるという人生の一大決心を通して、結果として良かったと思うこともたくさんありました。
主に3つをまとめてみました。
日本の新しい「パートナーシップ」の在り方を築く一端となれたこと
僭越ながら、まだまだ「駐夫」というステータスは極めて稀です。
最近は少し増えてきたようにも感じますが、まだまだ男性側が帯同するという形は一般的にはなっていないと思われます。
私も当時悩みがなかったといえばウソになりますし、自身のキャリアの問題もありました。
当時の悩みの詳細はこちらの記事をどうぞ。
しかし、これだけは申し上げておきたいのは、私は自分の選択をいわゆる「〇〇ロス」だとは思っていません。
重要なのは、夫婦という共同体の最大幸福(最大公約数)をどう創り上げていけるか?であり、自分が主軸であり続けるという独りよがりな人生は、本質的には共同体の価値を毀損しているものと考えています。
幸運なことに、妻(当時婚約者)が手にしたキャリアをパートナーとして応援できることや、長期的に考えたときに共同体として二人とも大きく成長できると確信したからこそ、深く悩むことなく決断することができました。
女性の社会進出と言われて久しい昨今ですが、本質的な意味での男女共同参画社会が実現し、こういったカップルが当たり前のようになっていくような社会的機運を高めるには「事例」が必要です。
なぜなら、ほとんどのケースにおいて、日本の企業内での意思決定の際に必要となる重要な要素が「前例」だからです。
我々は影響力は大きくない事例ではございますが、これからの日本のパートナーシップが変化する分水嶺の一部になれたのではないかと考えています。
自分と本気で向き合えたこと
駐夫になる!と決めてからは、前向きに楽しんで自己研鑽に励もうと決意しました。
仕事というのはある種楽なもので、目の前のルーティンワークで忙殺されていれば余計なことは考えなくて良いのですが、いざ働かないとなると自分の人生を自分でデザインしなければなりません。
私がほとんど悩まずに駐夫になると決意できたのは、自分の人生のロードマップを常に考えていたからです。
時系列が前後しますが、私はプロポーズをするときにこのロードマップを作成していたので、駐夫になることで、より「あるべき姿」の実現に注力できると思いました。
私の経験則ですが、人が一番成長するのは、「期待と不安のバランスが程よくせめぎ合っているとき」だと思います。
具体的には、期待6:不安4くらいのときでしょうか。
まさしく駐夫の期間というのはこういった精神状態で、毎日自分と向き合って刺激的な毎日を送ることができたと思っております。
(結果として)キャリアアップできたこと
駐夫生活の終盤、私は転職活動をすることになるのですが、事前の不安をよそに大きな評価をいただくことができました。
詳細は以下の記事をご覧頂ければと思いますが、大成功の転職活動となりました。
上記に付随しますが、駐夫となり、本気で自分自身に向き合ったこと、休職期間中も研鑽を怠らなかったことが大きな要因であったと思います。
駐夫になって不安だったこと
正直私個人としてはあまり不安はなかったのですが、強いてあげるとすれば以下の2つです。
お金の問題
これは人によっては切実な問題となり得るかと思います。
私の場合は、会社の「配偶者同行休職制度」を使用して休職という形でしたが、この間にも勿論社会保険など諸々のお金はかかってきます。
また私の場合、奨学金の返済もありましたので、翌年住民税の支払いがなくなるまでは、月10万円以上のキャッシュアウトがありました…。
手元にある程度のキャッシュがないと、中々落ち着いて帯同するということもできないのではないか?と思います。
ただ、この問題によって良かったこともありました。
休職を決めたときには、日本が空前のキャッシュレスブームに沸いており、キャッシュレスの還元や、いわゆるお得情報などを徹底的に研究したことにより、一時帰国の際などはポイントだけであらかた生活できてしまうことも(笑)
こういったお金に困っているときには、どうにかしようという気持ちも沸き起こるものです。
帰国後はこれを家庭に還元できるので、悪いことばかりではなかったと思っています。
日本へ戻ったときのキャリアについて
一旦仕事から離れるということは、断続的に培ってきたキャリアの連続性が途絶えるということです。
こればかりは不安がゼロになるということはなく、よほどのスキルがある人でない限りは、一抹の不安を抱えながら駐夫期間を過ごすことになります。
しかしながら、見方を変えてみましょう。
日本には約400万社の会社があり、私達はその中のたった1つの器の中での仕事やキャリアが続かなくなることを不安と感じているのです。
あなたがこれまで培ってきたスキルは、絶対に無に帰すことはありませんし、その会社の中でブランクができてしまっても、マクロの視点で見れば、それを欲している会社・あなたを評価してくれる会社は間違いなく存在します。
この期間中は航海に出ているようなもので、今まで錨をおろしつづけていた一つの港から離れて、新しい素敵な街がないか?大きな視野を持って探索できる期間だと捉えてみましょう!
過度に不安を感じる必要はなく、大きな希望をもって冒険してみる期間も長い人生において重要な期間になるのではないでしょうか。
今後駐夫になられる方が、本稿によって少しでも希望をもって選択することができる一助になれば幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!