こんにちは!ひろ@です。
みなさんはAnkerという会社をご存知でしょうか?
多くの人がこう言われると思います。
「あーあのモバイルバッテリーの会社!」
間違ってはいないのですが、それだけではANKERの魅力は語り尽くせないと言っていいでしょう。
現在はスマートフォンを始め多種類のスマートデバイスが普及してきている時代ですが、ANKERは「Empowering Smarter Lives」をミッションにモバイルバッテリー以外にも様々なデバイスを提供しているメーカーです。
2020年8月にはグループ本社のAnker Innovationsは上場を果たし、今後ますます注目されていく存在になることは間違いありません。
ひろ
ANKERとは?
Ankerの創業は、元Goolgeのサーチエンジニア(検索と広告の最適化を担当)のスティーブン・ヤンとGoogle Chinaのドンピン・ジャオの2人がメインとなり、創業から破竹の勢いで成長している深センに拠点を置くハードウェアスタートアップのメーカーです。
正確に言えば、グループ本社名は「Anker innovations」であり、ANKERは同社の「モバイルバッテリー」のブランド名です。
他にも、オーディオブランドの「Soundcore」、家電ブランドの「Eufy」、スマートプロジェクターの「NEBULA」などのブランドを抱えるマルチブランドのメーカーとなっています。
中国の企業であるANKERがモバイルバッテリーというコモディティ製品を引っさげ、なぜこの短期間で日本市場を席巻できたのか?
筆者のユーザーとしての私見を含みますが、スタートアップが最速で駆け上がるための「ハック」が多分に含まれていると思いますので、そのヒントを見ていきましょう。
▼筆者の保有するANKER製品たち(一部)▼
Ankerジャパンの販売戦略
2013年に日本法人であるアンカー・ジャパンが誕生しました。
アンカー・ジャパンは創業の経緯が特殊であり、立ち上げたのは、東京大学を卒業後、外資系金融機関へ進み、ものづくりとはかけ離れたキャリアを歩まれた井戸義経氏です。
メーカー出身者であればお分かりかと思いますが、日本市場は特殊な市場です。
ものづくりの品質基準はとにかく高く、日本の消費者はそれに慣れてしまっていますので、家電や車業界を見渡してもあまり外国製のプロダクトを見かけないですよね。
したがって、海外のメーカー(しかもベンチャー)が日本市場で成功するためには、日本支社ドリブンでの意思決定・マーケティングと差別化された戦略が必要となります。
EC戦略
Ankerの製品を購入された方は、おそらくAmazonで「モバイルバッテリー」などと検索し、評価の高いものから順に見ていこうとしたところ、Ankerの製品に行き着いたという方が多いと思います。
これこそがAnkerの戦略で、AnkerはプラットフォームとしてのAmazonの本質を以下のように捉えています。
Amazonのアルゴリズムは、顧客が幸せになるかどうかを重要な評価軸としている
Ankerの成功の要因は、D2C(Direct to Consumer)のチャネル戦略を徹底的にハックし、EC市場(Amazon)におけるブランディングに成功したからに他ならないでしょう。
Amazonの販売ランキング1位を取ってブランド価値を高めるというKPIを設定することによって、Amazonのランキング上位は良い製品だろういう消費者の認知を生み、それを維持・向上させることによって販売数を伸ばすことに「経営資源」を集中させてきたわけです。
また、Amazonにはメーカーにとって非常に有用な物流サービス(FBA)を提供しており、これも選択と集中を行うべきスタートアップにとって嬉しいサービスでしょう。
体験価値
Apple製品を持っている方はご理解頂けると思いますが、新しいApple製品を買って箱をあけるときってめちゃくちゃ「ワクワク」しませんか?
ブロガーやYoutuberなどがガジェットを紹介するときに「開封の儀」などと言うように、ANKERはこういった「体験価値」を非常に重視しているように思います。
この低価格でどう実現してるの?と思うのですが、ANKER製品の箱、付属品、またシンプルな説明書など、ワクワク感とすぐにスマートに使い始められるというストレスのなさはApple製品に通じるところがあります。
Ankerのものづくり
ものづくりの1つの方法として「ファブレス」という方法があります。
自社で製造機能を持たないということは品質面において諸刃の剣になりえる製造方法ですが、ANKERは「世界の工場」の深センで様々なソースにリーチする一方で高品質なものづくりを実現しています。
これはAnkerの製品は「改善版」という製品があるほど(普通は1年周期で新モデルとしてリリース)、ECサイトのレビューやカスタマーサポートの顧客の声を高速に製品開発に反映してリリースし、顧客が満足する高品質な製品を提供できるというわけです。
またよくありがちな、地の利を活かしてとにかく安いが、部品を全部モジュールで買ってきて組み合わせただけのメーカーでもなく、Power IQやGaNの採用などといった独自のイノベーティブな製品開発も実施しています。
現在はモバイルバッテリーのブランドとして名高いANKERですが、上述したように今後この製品開発力を用いて多種類の製品カテゴリでもリーディングブランドになっていくと予想しております。
徹底的なカスタマーサポート
筆者がAnker製品を多数購入してきて感じたことでもありますし、ネット上でも評判ですが、Ankerの本当の良さは「神サポート」とも称されるアンカーのカスタマーサポートにあります。
私も何回か問い合わせたことがあるのですが、対応の早さと的確さは他メーカーのそれと比較して群を抜いて素晴らしいと思います。
Anker公式オンラインストアで購入すれば、なんと保証が24ヶ月です(他販売チャネルは18ヶ月)。
ひろ
また、特筆すべきは「Powerコンシェルジュ」というサービスがあることです。
メーカーの対応窓口のコールセンターなどはアウトソースが多いと思いますが、アンカーは自社の製品を知り尽くしたアンカー社員が製品仕様や顧客の情報から最適な製品を提案してくれます。
筆者の知る限り、ガジェット系でここまで綿密でプロフェッショナルな顧客対応をしているメーカーは他に見たことがありません。
このシステムからも、Ankerが売って終わりではなく、いかに顧客体験を重視して快適に製品を使っていただくか?にリソースを投下していることがお分かりになると思います。
リーズナブルに生活を豊かにしてくれるAnker。
その裏側には徹底的な選択と集中、そしてユーザーの声を高速に反映していく確立されたシステムがあり、2020年代のビジネスを牽引するリーディングブランドとなっていくのではないかと本書より感じることができました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!